住まいを探すなかで、新築がいいのかリノベーションがいいのか迷う方が少なくありません。近年は住まいの選択肢が広がり、それぞれ魅力的なポイントが紹介されるため、目移りしてしまう方もいるでしょう。
本記事では、杉並区の建築会社が新築とリノベーションのメリット・デメリットを詳しく解説します。比較ポイントも紹介するため、新築・リノベーションで迷っている方の参考になる内容です。ぜひ最後までご覧ください。
新築のメリット・デメリット
まずは新築のメリット・デメリットを紹介します。
新築のメリットは、最新基準で設計・施工されるため、中古住宅より性能が優れているケースが多い点です。新耐震基準に基づいて設計された住宅は、一定の安全性が確認されているため、地震が多い日本でも安心して生活できるでしょう。
また、窓サッシなどの性能も向上しているため、中古住宅に比べて断熱性も高くエコな物件が多いといえます。注文住宅ならこだわりを反映させやすいのもメリットです。外観・内装・設備など、家づくり全体の自由度が高くなっています。
一方で、新築住宅は完成するまで全体像がつかみにくいのがデメリットです。完成してみたらイメージと違ったと感じるケースも少なくありません。モデルハウスやCGによるシミュレーションなど、完成イメージを確認する方法もありますが、実際に完成してみなければわからない点もあります。生活してみて初めてわかる点も多いでしょう。
リノベーションのメリット・デメリット
次に、リノベーションのメリット・デメリットを紹介します。
リノベーションのメリットは、中古物件の価格が安い点です。予算上、新築で立地の良い物件は購入が難しくても、中古物件なら手が届く場合があります。
また、同じ予算で新築より広い物件を選べる可能性も高いです。浮いた分の予算は、内装建材や設備に回せるでしょう。加えて、完成後の生活をイメージしやすく、景観や住宅周辺の環境を把握しやすいのも、リノベーションのメリットの1つです。
一方で、購入した中古住宅の構造的に、リノベーション内容が制限される可能性があります。壁構造のRC造、ツーバイフォーの戸建てなど、壁が躯体を造っている場合、間取りの変更に制限がかかります。
また、耐力壁も撤去できません。希望通りの間取りが実現できない可能性がある点を念頭に置いておきましょう。
また、中古住宅は新築に比べて耐震性・断熱性といった性能が低い場合が多いです。築年数によっては、老朽化によって劣化している可能性もあるでしょう。安心して暮らせるよう、性能を上げるための費用も必要になります。
新築・リノベーションの違い
新築とリノベーションにはどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
まず、工期の違いです。新築とリノベーションの場合、工期に大きな違いはないとされています。例えば、約40坪の住宅を新築する場合、一般的な工期は木造2階建てで3~4ヶ月、RC造で5~6ヶ月です。
一方、スケルトン状態から行う大規模なフルリノベーションの場合、工期は3~5ヶ月ほどになります。工期は地盤改良・外構工事・補強工事などの要因で変動します。
そのため、新築とリノベーションどちらの工期が短いかも、条件によって変動すると考えてください。
次に、諸費用や税金の違いです。新築住宅を購入する際、工事費・土地代以外に、次のような諸費用がかかります。
- 土地の仲介手数料
- 確認申請の手続き費用
- 地盤改良の費用
- 登記費用
- 上下水道設置負担金
中古住宅を購入し、リノベーションを行う場合の諸費用は以下のような内容です。
- 仲介手数料
- 売買契約締結時の印紙税(新築でも建売・マンション購入時は必要)
- 登記費用
業者によって手数料の設定が異なるケースもあるため、正確に費用を比較するには、見積りの依頼や不動産業者などへ問い合わせを行うとよいでしょう。
新築とリノベーションで最も異なるのは、固定資産税です。新築住宅に課される固定資産税は、評価額の1.4%です。評価額の求め方は、建物は建設費の7割程度、土地は国税庁が定めた路線価から算出します。
評価額は3年ごとに見直され、法定耐用年数(木造23年、RC造は47年)を過ぎると0になります。しかし、固定資産税がなくなるわけではありません。新築時の評価額の20%が下限として設定されています。
新築の場合、戸建ては建築後3年は減税措置によって固定資産税が1/2になります。長期優良住宅の条件を満たしていれば、減額措置は延長されて5年です。
リノベーションで注意すべきは、工事内容によって購入時と固定資産税が変わる可能性がある点です。増築して床面積が増えた、木造3階建てにしたなど、確認申請が必要な内容では、評価額が増えるケースがあります。とはいえ、躯体は中古であるため、新築以上の額になるケースは少ないでしょう。
内装のリフォームや設備機器の交換では、ほぼ影響はありません。また、バリアフリー化・省エネ化など、リノベーション内容が一定の条件を満たすと、固定資産税の減額措置を受けられます。
減額される割合だけを見れば、新築の方が有利に見えるでしょう。しかし、評価額そのものは新築の方が高いため、実際に計算してみなければどちらが安いかはわかりません。
新築・リノベーションの検討ポイント
新築かリノベーションかで迷っている場合、次のようなポイントで検討するとどちらが向いているかが見えてきます。
- 立地
- 性能
- 費用の総額
- ローン
- ライフプラン
立地に関する検討内容は、住みたいエリアや住宅周辺の環境への希望です。好立地のエリアには、すでに新築住宅・マンションが建てられていて、予算内で購入できる土地がみつからない可能性が高いです。
しかし、中古住宅であれば好立地でも選択肢が多く、予算内で購入可能な物件をみつけられる可能性があります。
また、住宅の性能は新築の方が優れている傾向がありますが、中古住宅も性能を高めるためのリノベーションが可能です。住宅に求める性能をリストアップし、リノベーションでも問題ないかどうか検討しましょう。
しかし、高い性能をもたせるためのリノベーションを行えば、その分費用も高くなります。新築とリノベーションのどちらが安いかは、費用の総額を比較しなければわかりません。
新築の場合、建設費または購入費のほかに土地代もかかります。新築マンションを購入する場合は、管理準備金・修繕積立基金といった費用も必要です。
中古住宅は構造・築年数によって価格が変わるほか、リノベーションの規模によって工事費用が大きく変わります。加えて、中古住宅を購入する際は次のような費用も必要です。
- 固定資産税精算分(物件評価額の3%分のうち、引き渡しを受けた日から12月31日までの日割り計算分)
- 都市計画税精算分(物件評価額の0.3%分のうち、引き渡しを受けた日から12月31日までの日割り計算分)
こうした初期費用も組み込んだうえで、費用の総額を比較しましょう。
なお、新築・リノベーションどちらの場合でも、住宅ローンを利用できます。リノベーションの場合は、住宅ローン1本に絞るパターンと、リフォームローンをあわせて活用するパターンが考えられます。
住宅ローン1本に絞ると返済先が1箇所になるためわかりやすく、家計管理もしやすくなるでしょう。ただし、物件購入とリノベーションを同時進行させる必要があります。
そのため、リノベーションのスケジュールによっては、住宅ローン1本にまとめるのが難しくなります。一方、リフォームローンは金利が高めですが審査が通りやすく、物件購入とリノベーションのタイミングがずれても問題ありません。
ローンの返済計画も含め、家は長期間生活する場所のため、長い目でライフプランを考える必要があります。家族構成が変わる可能性はあるのか、その物件にいつまで暮らす予定なのかによって、間取り・性能・条件・住宅にかけられる予算などが見えてくるでしょう。
将来的に売却を考えている場合、税法上の耐用年数が木造戸建ては22年、RC造などのマンションは47年と定められている点を知っておくとよいでしょう。また、近年では中古住宅をリノベーションし、付加価値をつけて転売するケースもあります。どのタイミングで売却するのかなど、長期的な計画を考えておきましょう。
杉並区の建築会社が教える 新築VSリノベーションのメリットデメリット
新築とリノベーションは、どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらが向いているかは条件によって答えが異なります。
そのため、初期費用を抑えたいのか、暮らしやすさにこだわりたいのか、理想の家を実現させたいのか、自分たちの優先順位を決めておくと比較しやすくなるでしょう。
優先順位を元に物件を探したり、見積りをとったりして、比較してください。専門的な知識が必要な場合は、不動産会社や建築会社などに相談してみましょう。